歯科衛生士mihoの“はははのはなし” vol.8~「歯科衛生士がオススメする知覚過敏向けの歯科専用の歯磨き剤5選」~

こんにちは。歯科衛生士のmihoです。
最近気温が高くなってきましたね。
暑いときは冷たい水を飲みたくなりますが、その冷たい水が歯にキーンとしみたりしませんか?
また、歯ブラシをする時にピリッとしみるなどといった症状を感じたことはないでしょうか?
もしかすると、それは、テレビCMでもよく耳にする「知覚過敏」かもしれません。

歯医者さんに行くことができない時に自分で出来るセルフケアとして、やわらかめの歯ブラシを使用したり、歯ブラシをするときにゴシゴシと力を入れすぎないことがポイントです。
しかし、しみるといっても原因はさまざまですので、歯がしみると感じたら1日でも早く歯医者さんに行って診察を受ける事が大切です。
しかし、忙しい人にとっては、なかなか歯医者さんに行く事もできない場合もあると思います。

そんな多忙なあなたのために、今回は知覚過敏でしみやすい方におすすめの歯磨き剤5選についてお話します。
知覚過敏にオススメの歯磨き剤を使ってお家で出来るケアをしてみてくださいね♪

1. 知覚過敏(象牙質知覚過敏症)とは

知覚過敏(象牙質知覚過敏)は、虫歯ではないのに冷たいものを飲み食べするとしみたり、歯ブラシをする時にしみたりする一過性の短く鋭い痛み(しみる症状)が特徴です。
メカニズムとして最も有力なのは「動水力学説」です。
象牙質には象牙細管という細い管が無数にあり、これは歯の神経とつながっています。
象牙細管は通常エナメル質、あるいは、一部歯ぐきに覆われていて表面に露出していませんが、 歯ぐきが下がったり歯の根が削れたりして歯の根が露出してくると、象牙細管内の組織液が移動します。
それによって神経を刺激して痛みを感じます。

他に考えられる「しみる症状」の原因のひとつに「歯周病」があります。
歯周病によって骨や歯茎が下がり、露出してしまった歯の根はやわらかいため、歯磨きのたびに少しずつ削れやすく、しみる症状が出やすくなることがあります。

2.知覚過敏(象牙質知覚過敏症)に効きやすい成分とは?

「硝酸カリウム」と「乳酸アルミニウム」という成分が知覚過敏(象牙質視覚過敏症)に有効であると言われています。
ふたつの成分がダブルで配合されている知覚過敏用歯磨剤がおすすめです。

① 硝酸カリウム

硝酸カリウムは、知覚過敏症を改善させる成分であることが臨床的に証明されています。
発生したカリウムイオンは象牙細管下部の神経に向かって移動し、神経を沈め、刺激に対する感度を抑えます。
神経の感覚を鈍らせ、知覚過敏症を誘発する歯髄神経線維の活性化を防ぐ効果があると考えられています。

② 乳酸アルミニウム

象牙細管の入り口を物理的に狭窄ないしは閉鎖して象牙細管内の組織液の移動を抑制し、神経を刺激しないようにする働きがあり、象牙質知覚過敏症の改善に優れた効果を発揮します。
この2種類の成分が配合された粉を使い続けることで、歯がしみる症状を徐々に軽減することが期待できます。
1日2回継続使用することをオススメします。

硝酸カリウムや乳酸アルミニウム以外の成分についてですが、毎日のブラッシングで歯質が削れていかない様に、低研磨または研磨材無配合の歯磨材を選択するのも良いと思います。
また、フッ素入り歯磨き剤(出来れば1450ppm)は、虫歯予防への効果が広く知られていますが、歯根面の石灰化を促進することで、症状の軽減も期待できます。

3. 歯がしみる方におすすめの歯磨き剤5選

知覚過敏の原因と、それに効く成分の説明をしました。
ここでは、オススメの歯磨き剤を紹介しますが、
最近の歯磨き剤には、知覚過敏に効く成分が入っているものに加えて、着色汚れに効果的な成分が入っているものがあったり、虫歯予防に効果的なフッ素が多く入っているものなどがあります。
「いったい、どれを選んだらが良いのかな?」と迷われる方も多いと思います。
これから、詳しく説明しますので、自分に合った歯磨き剤を見つけてみてください。

(1)「知覚過敏+着色汚れ+むし歯」が気になる方にオススメの歯磨き剤

[メルサージュヒスケア]

知覚過敏症状を防ぐのに有効な硝酸カリウムと乳酸アルミニウムを配合しています。
虫歯予防に効果的なフッ化ナトリウムを1450ppm配合されており、
更に、タバコのヤニを落とすポリエチレングリコール400や、ステイン除去効果のあるシリカ・結晶セルロース(清掃剤)が配合されているので、しみるのを防ぐ以外に着色汚れを除去する効果があります。
ホワイトニングをした後にしみるのを予防するために、ホワイトニングの前後に使用するのもオススメです。
他にも、夜寝る前のケアとして、歯にピッタリと密着し、有効成分が口腔内に留まりやすいジェルタイプもあります。

(2)「知覚過敏+歯周病+むし歯」が気になる方にオススメの歯磨き剤

① 研磨剤なし・ジェルタイプ
[コンクール ジェルコートf]

歯周病で歯茎が下り、露出してしまった歯の根はやわらかいため、歯磨きのたびに少しずつ削れやすく、しみる症状が出やすくなることがあります。
一般的な歯磨き剤には研磨剤が配合されていることが多いですが、コンクール ジェルコートfには研磨剤が入っていないので、ブラッシング圧が適正であれば歯周病で歯ぐきが下がり、露出してしまった根面にも安心して使用していただけます。
歯に留まりやすいジェルタイプになっているので、有効成分が定着しやすいです。
フッ素も入っていますので、歯の再石灰化作用で露出したやわらかい根面も強化し、しみにくくなることが期待できます。
グルコン酸クロルヘキシジンによる殺菌作用により、虫歯や歯周病の予防に対する効果も高い商品です。

② 研磨剤あり・ペーストタイプ
[システマセンシティブ]

知覚過敏予防効果のある硝酸カリウムと乳酸アルミニウムがダブル配合されており、歯磨きをしている時だけでなく、飲食時の痛みまでケアしてくれるという商品です。
他にもバイオフィルム内部まで浸透し、歯周病菌を殺菌するIPMPと歯肉の炎症・出血を予防するトラネキサム酸も配合されているので知覚過敏と併発の多い歯周病を改善する効果や、フッ素が1450ppm配合されているので再石灰化が促進されることで知覚過敏を防ぐ効果も期待できます。

(3)「知覚過敏+歯周病+歯茎の露出」が気になる方にオススメの歯磨き剤

〔チェックアップルートケア〕

歯周病や過度なブラッシング圧などが原因で露出してしまった根面は、知覚過敏症状が出やすいと同時に構造上非常に虫歯が出来やすいです。
こちらの歯磨き剤は、露出した根(象牙質表面のコラーゲン)をコーティングしてくれるPCA(ピロリドンカルボン酸)という成分が配合されているのが特徴です。
ジェルですから歯の表面に定着しやすいのですが、PCAが配合されていることで、より成分を長く留めることが出来ます。
硝酸カリウムが配合されていることと象牙質にもやさしい無研磨タイプでもあり、知覚過敏への効果も期待出来ます。

(4)やっぱり、どの歯磨き剤が良いのか分からない方にオススメの歯磨き剤

[おとなのトータルケア]

知覚過敏に効果のある成分、硝酸カリウムが配合されています。
他にも、歯周病・う蝕・口臭予防に効果のある成分が配合されています。
研磨剤・清掃剤無配合の歯みがきジェルです。
いくら良い成分が配合されていても、口をゆすいだ後に成分が口の中に留まっていなければより良い効果を得ることが出来ません。
こちらの商品は歯面にしっかり密着し唾液に溶けにくい高密着ジェルとなっています。
更に、磨きはじめから薬用成分を素早く放出する「高リリース機能」があり、効率的に薬用成分が歯面に行き渡ります。

4. まとめ

知覚過敏におすすめの歯磨き剤を5つ紹介しましたが、気になるものは見つかりましたか?
歯がしみているけれど、どうしても忙しくて歯医者さんに行けないという方は、今回ご紹介した、5つの「知覚過敏におすすめの歯磨き剤」を参考に、自分に合ったものを探してみてくださいね。
ただ、知覚過敏はセルフケアだけでは改善されない場合もありますし、知覚過敏だと思っていたけれど、実は虫歯が原因だったということもあります。
他にも、様々な原因が考えられますので、自分だけで解決しようとせずに歯医者さんで歯科医師や歯科衛生士にみてもらうことも大切ですよ。

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