【歯医者さんに聞いてみた、ハミガキ知恵袋。vol.2 えのもと歯科 榎本先生】「ハミガキしたら、歯ぐきから血が出た」編

「歯医者さんに聞いてみた、ハミガキ知恵袋。」は、お客様からお話を聴いたりご相談を受けたりすることが多い「歯」に関するトピックについて、ハミガキ
ライフの店長が歯医者さんと対談する企画です。有益な情報を、楽しく、皆様にもお届けしたいと思います。 「歯医者さんに聞いてみた、ハミガキ知恵袋。」の第2回目の登場は、えのもと歯科の榎本拓哉(えのもとたくや)先生です!

店長:本日は、よろしくお願いします。

榎本先生(以下「榎本」):よろしくお願いします!

店長:早速ですが、ハミガキライフに来店されるお客様の中に、「ハミガキをしていたら歯ぐきから血が出た。どうしたら良いですか?」というご相談をしてくるお客様がいます。どんな原因が考えられますか?

「かため」の歯ブラシは要注意

榎本:ひとつは、歯肉炎・歯周炎の疑いがあります。ほかには「かため」の歯ブラシで強く磨いている可能性がありますね。「かため」の歯ブラシが好きな方は、「硬い方が磨けている感じがする」と言う方がほとんどです。そして、そういう方は、ハードなブラッシングをしてしまっていると思います。この場合、歯ぐきが傷ついてしまったり、歯ぐきが下がってしまうおそれがありますね。

榎本:実は世の中には、歯ぐきが「厚い人」と「薄い人」がいるんです。「薄い人」は傷つきやすいので、「やわらかめ」の歯ブラシが良いと思います。

店長:歯ぐきに「厚め」と「薄め」があるんですねぇ。見分け方ってあるんですか?

榎本:ごつごつした感じの歯ぐきは「厚め」の傾向がありますが、歯医者でレントゲンなどをとってみないと、はっきりとしたことは言えないですねぇ。

店長:少し脱線しますけど、 「かため」の歯ブラシって、どうしてあるんでしょうか?

榎本:「かため」の歯ブラシは清掃力が高く、歯垢の除去能力が高いんです。ただ、歯肉にあまり良くないですね。

店長:「かため」の歯ブラシは、どういう方に向いているのでしょうか?

榎本:うーん…、難しいなぁ。ブラシを歯の部分に当てるだけならいいでしょうけど…オススメはしません(笑)。大まかにいえば、歯ブラシの毛先は「ふつう」か「やわらかめ」のものを使った方が安全だと思います。柔らかすぎるのも、汚れが落ちないので、あまりオススメできません。

店長:なるほど。話を戻しますが、歯周病が原因で歯ぐきから出血する方もいると思います。ここで、榎本先生がお力を入れている「歯周病」について、基本的なところをお聞きしたいです。

榎本:歯周病といっても、その中に色々な症状を含みます。歯肉炎、歯周炎、薬物誘発性の歯周炎などを含めて「歯周病」と言っています。「歯肉炎」は歯ぐきが腫れただけの状態をいいます。 「歯周炎」というのは、歯ぐきじゃなくて骨が溶けている状態をいいます。どちらも炎症なんですけど、見た目の症状としては「腫れる」とか「出血する」ということになります。なので、「歯ぐきから出血する」という症状がある方は、歯肉炎・歯周炎のどちらかの可能性がありますね。

店長:見た目は、歯肉炎も歯周炎も一緒ですか?

榎本:ほぼほぼ、変わらないですね。歯茎が表面的に赤くなって、血が出るというところまでは同じです。ただ、歯肉炎は歯ぐきの表面の話で、歯周炎は歯ぐきの中の骨の話なので、レントゲンを撮らないと判断できないんです。なので、ご自身で歯ぐきが腫れているなと思っても、どちらかは判断できません。

40 代は特に注意したい歯周病の原因について

店長:歯周病になってしまう原因は何でしょうか?

榎本:きっかけは、菌の感染になります。流れとしては、歯ぐきが菌に反応し、炎症を起こして腫れている状態になり、これを放っておくと骨が溶けて歯周炎になってしまいます。ただ、歯ぐきの腫れに反応する度合いが、人によって違うんです。ちょっと歯ぐきが腫れている程度でも、強く反応する人は歯周炎になってしまいます。

店長:免疫力の違いにより、症状の表れ方が異なるということですかね。

榎本:そうですね。傾向としては、歯ぐきから血が出て、気になるという人は歯に関する意識が高めの方なので、歯周病の早期発見につながります。逆に、歯がぐらついてきてから来院されると、こちらも悩ましいです。

店長:なるほど。血が出ている、つまり歯周病の症状の初期段階だと、まだ間に合うといった感じでしょうか。ところで、歯周病って、何歳くらいから気を付けたら良いのでしょうか?

榎本:40 代から要注意と言われていますね。

店長:ドキッとしますねぇ(店長は 40 代)。では、どう気を付けたらいいのでしょうか。

榎本:まずは歯科検診に行くこと。そして、その上でその人に合った歯ブラシを使ってもらうことですね。

店長:「こういう状態なら、歯科医院に来てもらいたい」という目安はありますか?

榎本:ちょっとでも動いている歯があるとか、自覚症状があるのでしたら、歯医者に行った方がいいと思います。例えば、私の場合はフロスを使った時に血が出たら、「歯肉炎だな」と思うようにしています。あとは、フロスを使ったときに歯に引っかかったら、「歯石があるな」と思ったりします。

歯周病予防のためにも歯間清掃を

店長:それから、歯周病予防の観点から「歯間をきれいにする」ということは重要ですか?

榎本:そうですね。「Floss or Die」という言葉がありまして…。口の中で一番汚いのが、歯間部なんです。歯の表面は歯ブラシで清掃できますが、歯間部はどうしてもフロスや歯間ブラシをしないときれいにするのが難しいですね。

店長:一番汚い部分を放置しておくのは「致命的」ということですね。

榎本:まあ、歯間部から虫歯にもなりますしね。虫歯が一番多いのって、歯間部なんですよね。

店長:思い当たるところが…(笑)。

榎本:歯周病予防については、とにかく「細菌数を減らす」のが大事です。歯ぐきより上の部分は患者さんの仕事、つまりご自身でしっかりきれいに磨いてもらわないといけないんです。

店長:細菌数を減らすというのは、いわゆる歯周病菌ですか?

榎本:歯周病菌を保有している方は、歯ぐきの中にも既にいるんですよね。どうしても口の中に入ってきてしまうので、基本的には全体的な細菌数を減らすことが大事ですね。やはり、ハミガキをすごく頑張っている人は、「この先も歯が残るだろうな」という感じがします。根拠はないですけど(笑)。

店長:日常的にできる歯周病予防というと、歯ブラシも大事ですが、フロスとか歯間ブラシを使うのが良いんですね。これらの使い方のポイントって、ありますか?

榎本:フロスや歯間ブラシに口腔ケア用の消毒液をつけて使った方がいいですね。歯間は一番汚いところですので。消炎効果もあります。あとは、歯ブラシ
を使う時は、「腕を動かして」磨くのではなく、「手首だけ」で動かせるような感覚がいいのではないでしょうか?

店長:なるほど、私も舌ブラシに殺菌効果が期待できる洗口液のコンクールFをつけて舌の汚れを落としたりしています。でも、フロスに含ませるというのは、考えたことなかったですねぇ。

榎本:歯間ブラシ用のジェルとかも、ありますよ。オススメです。

店長:歯間ブラシに歯磨き粉をつけるというのは、どうですか?

榎本:そうですね、虫歯になりやすい人であれば、フッ素入りのものをつけて使うと良いかもしれません。個人的にはミラノールとかがオススメです。歯の間って虫歯になりやすいので、どう磨いても、歯ブラシだけでは十分にきれいにするのは無理だと思います。染め出しした時に、汚れが残っちゃうんですよね。

店長:40代になったら、まずは歯医者さんに行って検診をするのが一番よいですね。中には、出来れば歯医者さんに行きたくない…という方もいるでしょうけど(笑)。特に歯周病って、目に見えて症状が分かりづらいというか…。歯ぐきが腫れるとか出血するといった状況がないと、なかなかきっかけがないというか…。

榎本:そうですね。歯周病は Silent Disease といって、自覚症状がないですからね。なので、歯がぐらついてから歯医者に来ても、治療が難しい場合があります。なるべく早めに来てくれた方が、良いですね。

歯周病について気になった方は、「えのもと歯科」へ

店長:なるほど。そろそろインタビューも終わりに近づいていますので、えのもと歯科のアピールをお願いします。

榎本:まず、歯周病の治療はきちんとします。あとは、再生治療とか形成外科につなぐといった、特殊なところも対応していますので、少しでも不安に思うところがあれば、相談していただきたいと思います。

店長:最後に、歯周病の予防と発見のために、榎本先生が特に心がけているところなど、ありますか?

榎本:患者さんの歯の状態を見て、今の現状と今後の歯周病についての展望はきちんと話すようにしています。あとは、歯ブラシ指導ですね。ある程度ハミガキが出来ている人にはそこまで言いませんが、ちょっとハミガキに問題がある方には、時間をとってしっかり意識づけしてもらうように指導しています。

店長:本日は、多くの方の関心が高い「歯周病」について、店長自身が気になっていることも含めて、沢山お聞きすることが出来ました。本当にありがとうございました!

【ご協力いただいた歯科医院】
えのもと歯科
札幌市西区八軒5条西9丁目4-21 NEO bldg.八軒
院長 榎本 拓哉 先生
URL https://www.enodental.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です